新卒者のMBA留学

就職前とMBA留学の葛藤

新卒者のMBA留学も現在増加傾向にありますが、そのほとんどの方がMBA留学準備と並行して就職活動も行っているのが現状です。そして大半の方が就職かMBA留学を大学4年次に悩むことになります。5,6年前であればそう簡単には優良企業から内定をもらうことはできませんでしたから、思った会社に就職できないから大学院留学をする、という確固たる理由がありましたが、現在では希望する企業から3,4つ内定をもらっている大学生も少なくありません。そうなったらなったで「留学と就職」、悩みは尽きないようです。

就職前にMBAを取得することの意義

「MBA留学をするなら少しでも働いてから行ったほうが学ぶことが多くある。」、「職務経験のない留学生がMBA留学しても意味がない」ということを耳にすることも珍しくありません。そういった意見が間違っているわけではありませんが、全て正しいわけでもないと思います。逆を言えば、「職務経験がないから全て素直に吸収することができた」、「MBAと英語力のおかげで新卒では入社できないような企業に入社することができた」という声も多く聞きます。ここでは具体的に就職前にMBA留学を決行する際の意義とは何か、ということについて解説したいと思います。

在職中に留学をする必要がない:

日本の企業も実力社会になったとはいえ、一部のヘッドハンティングをされるような一流ビジネスマンを除きまだまだ終身雇用も色濃く残っていますし、一度脱線すると新たなキャリアを築くことが非常に難しい社会であることは周知の事実です。もちろん「社会人の大学院」で述べているような世界のTOP10に入るビジネススクールに企業派遣などで入学するような一部の一流ビジネスマンの方は在職中に休職制度や留学派遣制度などを利用し留学することも可能でしょう。ただ一般的なサラリーマンには在職中に休職をしたり、狭き門の企業派遣制度を狙ってもなかなか難しいのが現状です。

そこで就職する前にMBAを取得し、心置きなく就職しようという考え方ですね。就職後に「留学したかったのに、、、」という思いを引きずらず日々の仕事に邁進することができます。

ビジネスで使える英語力が身につく:

就職活動を行っていると悩みの種なのが「どのように他の学生と差別化を図ろうか??」ということだと思います。特に大企業になると最初は書類選考であることも多いですし、1〜2時面接は集団面接ということも少なくありません。そのため、強烈なキャリアプランやインターンシップ、留学経験、英語力、海外ボランティア活動などで他の学生と差別化を図る必要があります。しかし海外経験やインターン経験などがない方はどうしても他の学生から頭一つ抜け出すことができず第一希望の企業からは内定がもらえないなど、納得のいかない就職活動を強いられるケースもあるかと思います。MBAプログラムはご存知の通りケーススタディが中心となり、プレゼンテーションやグループプロジェクトなどで評価されることが多いので、就職活動でアピールできる十分な英語力が身につくことは間違いありません。

就職への疑問と自己実現:

「ここまま就職してしまっていいのだろうか?」、「将来本当にやりたいことは何だろう?」、など就職への漠然とした疑問、不安を持っている方も少なくないと思います。また、いつかは留学したいと漠然と思いながら社会人を続けている方、そういった確固たる目的のない大学院留学、強いて言うなら「自己実現」、「やりたいことを見つけるため」などの目的のために大学院留学を選ばれる方も増えてきています。今のまま疑問を持ち続け就職するのであれば、一度立ち止まって「本当にやりたいこと」と「本物の英語力」と付けて社会に出たい、と思うのは至極当然のことではないかと思います。大学院留学はその二つを同時に叶えてくれるというわけです。

新卒者が入学できるビジネススクール

アメリカのビジネススクール入学者の平均就労経験数は通常5年程度だと思いますが、これはあくまで平均ですので、Association of MBAに認定されている有名なMBAコースの中でも平均就労数が1〜3年程度のコースも少なくありません。一方イギリスのビジネススクールは通常マネージメントスクールと呼ばれ、職務経験が最も審査に影響を及ぼします。

新卒者(新社会人)のためのアメリカビジネススクール

アメリカは起業大国です。今でも学生たちが将来のマイクロソフトやグーぐるを目指し日々勉学に励んでいます。皆さんもよくご存知のGoogleもLarry Page and Sergey Brin が Stanford University在学中に立ち上げた会社でることは周知の事実です。以上のようにアメリカでは職歴が全てではありません、学生でも職歴が浅くてもビジネスで大成できるという理念を持っていますので、ビジネススクールの入学基準も職務経験が最重要ということはありません

University of Pittsburgh, Joseph M. Katz Graduate School of Business 入学者平均年齢:25歳 入学者平均就労年数:3年 留学生割合:15% 出願最低TOEFLスコア:100 出願者平均GMATスコア:620

University of Missouri, Robet J. Trulaske, Sr. College of Business 入学者平均年齢:25歳 入学者平均就労年数:2年 留学生割合:35% 出願最低TOEFLスコア:80 出願者平均GMATスコア:623

以上のように皆さんがご存知のようなアメリカのトップスクールの中でも平均就労年数3年以下のMBAコースが開講されているのです。こういったことは実はアメリカでは周知の事実で、日本ではMBAはある程度長い職歴、大企業の職務経験、管理職などの経験がある一部の社会人のためのコースという認識がありますが、アメリカでは学生のうちから起業する学生もいますし、職歴がなくてもTOPビジネススクールに入学することも珍しくありません。一方イギリスのMBAコースは現実主義ですから、最低でも3年以上の職務経験がないと入学することができないのが現状です。

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